看護大学生の就業動機に関する研究 : 就業動機と自己同一性との関連
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概要
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本研究の目的は,看護学生の就業動機と自己同一性(自分の確立)との関連を検討することである。看護大学生198名を対象に,下山1)の自分の確立尺度と安達2)の就業動機の尺度を使用して調査を行った。その内容は,自分の確立尺度と就業動機の昇順項目の検討をしたうえで,因子分析を行い,両尺度の関連性を把握するために重回帰分析にて検討した。その結果,自分の確立尺度では,自己否定はなく理解してくれる人はいるが,心が傷つきやすく,何事にも不安に思っていることがわかった。また,就業動機の下位尺度から,仕事に対する責任感や上位志向が低い傾向にあることが示された。さらに,2つの尺度間の関連は,説明変数を,自分の確立尺度として学生,祖父母との同居の有無,就業動機を目的変数として分析したところ,以下の項目で有意に関係していた。学生では,主体性(p<0.05),親密性(p<0.01),また,祖父母の同居の有無は,親密性に(p<0.01),さらに,探索志向は,確実性(p<0.001),統制性(p<0.01),挑戦志向では,能動性(p<0.01),親密性(p<0.001)で有意に高く関係していた。つまり,看護学生の就業動機の探索志向の積極的姿勢には,自分と自分の世界に対する現実感や信頼感を持っていることや自我の統合力に関連があることがわかった。また,挑戦志向では,困難な仕事に挑戦し,自己成長しようとする姿勢を自分でコントロールしながら,積極的に関わっていこうとする能力や人との関わりを持ちたいと思う対人関係の柔軟性の関連を示していた。就業動機に関して,受容性および主体性は有意な関連はなかった。
著者
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