走化性を伴う腫瘍成長モデルとその数理(<特集>移流項をもつ反応拡散系)
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概要
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近年急速に研究が進展している生命現象の一つである,腫瘍による血管新生について,数理的背景が明確な二つの数理モデルを用いて考えることにする.まず,オスマーとスティーヴンスによる放物型方程式-常微分方程式系の時間大域解の存在と漸近挙動について考える.このモデルは本来,強化ランダム歩行の理論から導かれたものであるが,レヴィンとスリーマンによって腫瘍による血管新生のメカニズムの理解に適用された.次に,基礎医学の研究結果に基づいたアンダーソンとチャプレンによる腫瘍血管新生モデルについて同様な観点から考えることにする.しかしこれら2モデルについて,これまで関連付けられた扱いはされなかった.そこで統一的な数学的手法を用いて,解の存在と漸近挙動を調べ,数学的妥当性を保証し,さらに両モデルの数学的構造を比較検討する.これにより両モデルの同等性について数学的議論をし,お互いのモデルの妥当性の相互補完,この生命現象を支配する数理原理の特徴づけ,解の可解性と性質の観点からの数学的枠組みを与える.ここで用いられた数学的方法を,関連した生体現象の数学解析に適用する.
- 2009-12-24
著者
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久保 明達
藤田保健衛生大学衛生学部数学
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小林 英敏
藤田保健衛生大学放射線科
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小林 英敏
藤田保健衛生大学医学部放射線医学講座
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小林 英敏
藤田保健衛生大学医学部
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久保 明達
藤田保健衛生大学医療科学部
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