反撥係数と変形量の同時測定 : テニス・ボールはどれだけつぶれているか
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概要
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ボールと床平面との衝突現象を特徴づける物理量として,反撥係数,接触時間,変形量,力などが考えられる.このうち,反撥係数は従来の高さの比による方法では空気抵抗の補正を行う必要があり,その取り扱いが複雑になる.さらに,衝突中の時間が数ミリsecと短い為に,その他の物理量についてもその情報は少ない.我々は空気抵抗の補正を必要としない方法で反撥係数の直接測定を行い,これとあわせて接触時間,最大変形量の測定も行った.その結果をまとめると,(1)反撥係数はボールの衝突直前の速度の小さい範囲(2〜3m/sec)でわずかに増加し,5m/secを超えるあたりから減少する傾向にある.(2)接触時間はボールの衝突直前の速度の増加とともに,6.5m secから4.5m secにまで減少する.(3)今回の実験では,ボールの衝突直前の速度の最大値は10.7m/secである.このとき,ボールに作用した衝突中の平均の力は23.5kg重,ボールは最大で1.7cmつぶれる.これは直径6.5cmに対して約26%だけボールがつぶれていることに相当する.
- 日本物理教育学会の論文
- 1985-12-10
著者
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