ホイヘンスは如何に考えたか
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概要
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ホイヘンスは,波の伝播をどのように考えていたのだろうか。理解しづらいホイヘンスの原理をもっと正確に理解したいと思い,『光についての論考』を読み直し,ホイヘンス自身の考えを探ってみた。その結果,ホイヘンスは,音などの波と光とでは波の伝播方法が違う,と考えており,光の場合だけ,主要波面のほかに個別波面(いわゆる素元波)も発生させると考えていた。また,個別波面だけでは目が感知する波面にはならないが,個別波面の最先端部分(要するに包絡面)は主要波面と必ず一致するので,光の反射のように主要波面がどこにできるかが分からない場合には,個別波面の包絡面を調べることで主要波面がどこにあるかを知ることができる,と考えていたことが分かった。また,波の性質として,波面と射線とが直交することをホイヘンスは最も重視していた。波の性質を説明する際に,この視点は,現代でも有効であると筆者は考える。
- 2009-03-06
著者
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