QCD相転移 : カイラル対称性と中心対称性の競合(最近の研究から)
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概要
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核子やπ中間子など,いわゆるハドロン質量の大部分が"強い相互作用"に由来している.こうした物質を強い相互作用の典型的エネルギースケールまで高温にしたら何が起こるだろうか?その答えは強い相互作用の理論であるQCD(量子色力学)を解けば理論的にわかるはずだ.あるいは実際に高温物質を作れば実験的検証もできるはずだ.このような試みが,理論・実験の両面から,約30年に亘って続いている.いわゆる「QGP(クォーク=グルーオン・プラズマ)」の探索である.本稿では高温・高密度におけるQCD相転移の理論的な側面について,歴史的経緯を交えながら最近の発展を概説する.
- 2009-11-05