高速飛行実証フェーズII の飛行実験計画に関する検討
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概要
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HOPE-X 形態機の遷超音速域における空力データ取得を目的とした高速飛行実証フェーズII が実施された。本稿では、同飛行実証計画開始時に、技術的な観点より高速飛行実証機の打ち上げ方式に関する検討を行った結果を示す。本稿で対象とする打ち上げ方式は、母機として航空機を用いた空中発進方式(Air-launch)と、高層気球を用いたバルーン・ドロップ方式である。両打ち上げ方式に対して簡単な誘導則を設計し、3 次元3 自由度の飛行シミュレーションにより飛行分散解析を行った。その結果、空中発進方式では誤差なしの場合には要求する飛行実験が成立するものの、母機性能に対する不確定性や設計モデル誤差を考慮した複数のケースでは、要求する飛行実験を成立させ得る見通しが立たないことが明らかとなった。他方、バルーン・ドロップ方式では、誤差を想定しても全てのケースに対して飛行実験成立の見通しを得た。従って本稿では、技術的な観点より実験機の打ち上げ方式として、バルーン・ドロップ方式が所望の飛行実験達成の可能性がより高いと結論付けた。なお最終的な打ち上げ方式は、コストや飛行実験場所といった要因も含めて検討され、バルーン・ドロップ方式に決定された。
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