De Pallio(『パッリウムについて』)の著者問題について
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概要
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カルタゴの市民に対して「トガを捨ててパッリウムを着用する」ことを弁明するという形式で書かれたDe Pallia(以下P.と略す)は,テルトゥリアヌスの作品の中で従来最も難解であるとともに問題の多い書物とされてきた.私は既に「『パッリウムについて』とテルトゥリアヌス」(以下「前論文」と略す)において,用語及び統語法の統計的な考察を通して,P.がテルトゥリアヌスの作品ではないことを明らかにし,この書物の謎を解く一歩を踏み出すことができた.同時に前論文ではその著者をユダヤ教徒と推測した.しかしその後P.をキリスト教徒の作品と考えるに至った.本論文は,ユダヤ教徒説を撤回してキリスト教徒説をとるに至った根拠を示すとともに,P.の思想上の傾向を検討することによって,この面でもP.の著者がテルレトゥリアヌスとは異なっていることを明らかにし,合わせて,より明確な著者像を提示することを目的としている.
- 日本西洋古典学会の論文
- 1986-03-18
日本西洋古典学会 | 論文
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