人体臓器汎化モデリングのための形状安定化項を導入した多階層統計的形状モデル(アトラス,<特集>医用画像論文)

概要

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従来の三次元統計的形状モデルは,個々の形状データの次元に比べて学習データ数が少ない場合が多いため,変形の大きい形状に対して十分な表現能力を得ることは難しい.形状を部分領域に分割・階層化した多階層の統計的形状モデルが提案されているが,階層化により,領域問の不整合が生じる可能性がある.そこで本論文では,領域間の不整合を解消するため安定化項を導入した多階層統計的形状モデルを提案する.提案手法では,分割した個々の領域を,隣接する領域の境界部分がオーバラップするように拡張したものとし,領域間の整合性を保つために,以下の制約を導入する.(1)オーバラップした領域は互いに一致する.(2)個々の領域の形状は,上位階層で推定された形状から大幅に変形しない.肝臓及び近位部大腿骨を対象臓器として,正常及び疾患データを用いた多階層統計的形状モデルによる形状推定の精度評価を行った.実験の結果,対象データの形状のばらつきが大きい場合に,提案した安定化項を導入することで,領域問の不整合により形状が乱れることなく,精度の良い近似ができることを確認した.
2008-07-01