ベース接地増幅段を付加したGHz帯ピアースCB形圧電発振回路(電子回路)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,情報通信機器の発展に伴い,GHz帯で発振可能な低位相雑音の圧電発振器が求められている.ピアースCB,コルピッツ,及びクラップ圧電発振回路などコルピッツ形発振回路は低位相雑音の安定した信号発生源として欠くことのできないものとなっており,通信機器等で多用されているが,高周波領域,特にGHz帯での発振が困難であった.コルピッツ形発振回路をGHz帯で発振可能にするには,高周波特性の良い半導体を使用するほか,圧電振動子と並列に挿入する外部容量を小さくする必要がある.しかし,外部容量を小さくすると,トランジスタの空乏層容量や拡散容量などの内部容量の影響を大きく受け,内部容量は温度によって変化するため,振動子から見た回路側に十分に安定した負性抵抗を得ることは難しく,負性抵抗回路の温度特性も劣化する.発振条件としては周波数条件と振幅条件を考える必要があるが,圧電発振器の発振周波数の概略は圧電振動子により決定されるので,回路側として所望の周波数で発振が立ち上がる振幅条件を満足させるために,十分な負性抵抗が得られる必要がある.本論文は,高周波のGHz帯で安定で,十分な負性抵抗が得られることを明らかにしている.まず,トランジスタのミラー容量を減少させるためベース接地回路を付加し,付加したベース接地回路のコレクタから帰還をかけるピアース形発振回路を提案し,GHz帯で負性抵抗が得られることを明らかにしている.次に,提案したGHz帯で発振に十分な負性抵抗が得られるピアース形圧電発振回路について,その温度特性を明らかにし,補償回路を付加することにより温度特性の改善を行い,その有効性を明らかにしている.
- 2009-01-01
著者
関連論文
- ベース接地増幅段を付加したGHz帯ピアースCB形圧電発振回路(電子回路)
- 次数・モードの異なるオーバトーン水晶発振器のエージング特性
- GHz帯コルピッツ形発振回路の温度特性改善
- GHz帯コルピッツ形水晶発振器の温度特性改善
- デュアルモード水晶発振器を用いたエージング特性改善方法
- A-1-8 GHz帯コルピッツ形水晶発振回路の温度特性(A-1.回路とシステム,一般講演)