非営利組織の理事と職員 -会員数増減の効果-
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概要
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非営利組織のサンプルを用いて,組織規模と管理者要素との関係を経時的に分析した。4年間で組織規模すなわち会員数が増加した73社を「成長組」に,減少した85社を「衰退組」にグループ化し,同期間に各グループにおいて管理者要素(理事と職員の2種類)がどのように変化したのかを測定した。管理者要素の変化パターンは,成長組と衰退組の間で非対称的であった。すなわち,(1)衰退する組織における職員の減少は,成長する組織における職員の増加よりもペースが緩慢である,(2)成長する組織における理事の増加は,衰退する組織における理事の減少よりもペースが緩慢である,の2点が確認された。先行関連研究が提示した「ヒステリシス」あるいは「ラチェット効果」という概念は,(1)の職員の「減りにくい」性質を記述するのに適しているが,(2)の理事の「増えにくい」性質についてはそうではない。本稿は,「代謝」という概念を導入して,管理者要素の増減パターンの理解を試みている。
- 北海道大学の論文
- 2009-12-10
著者
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