児童の職業認知構造 : 希望職業と職業遂行予測から
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概要
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本研究は小学校2、4、6年生児童を対象に、職業選択の過程ではたらく職業認知の構造を明らかにしようとした。職業選択の基準として、一つは自己の欲求や興味・関心といった、いわば主観的な希望の程度を手かかりとした。もう一つは、現在の学習評価をとおしてみた将来の職業の遂行予測といった自己の能力と職業情報を考慮した、いわば客観的な職業遂行予測の程度を手かかりとして、職業をどのようにとらえているか、またその差異をとらえようとしたものである。その調査の分析結果は次のとおりである。1.小学校児童に、「どの程度やりたいか」といった希望から職業をとらえさせたところ、社会的評価と結びつきやすい「職業機能水準」あるいは「興味の水準」を中心とした側面から職業を認知していた。特にそれは高学年で顕著であった。2.小学校児童に、「どの程度やれるか」といった。自己の学習評価をとおして職業の遂行予測から職業をとらえさせたところ、「職業機能水準」あるいは「興味の水準」を中心とした側面ではなく、「職業興味」を中心とした側面から職業を認知しているようだ。その職業は、身近に接することができたり、容易に見聞したりすることの機会の多い職業であり、職務内容が比較的わかりやすい職業であると考えられた。3.「希望職業」および「遂行予測」のいずれからしても、「男子志向の職業」、「女子志向の職業」といった性による因子が抽出された。性による職業認知のしかたは、小学校低学年段階から顕著にみられ、以後一貫していた。
- 1985-03-31
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