6. 医薬用凍結乾燥機における不均等加熱の分析及び乾燥庫壁温制御による均等加熱の達成(平成2年度第36回凍結及び乾燥研究会研究報告,創立30周年記念号)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1)諸論者の既報でも指摘されてきたが,棚端末影響は棚温一様性(例えば全段,全域±1℃)その他,今日定着している制御諸基準の許容度を遥かに超える桁違いのバラツキ要因であり,棚温度の一様性等の現在制御精度の効果を活かそうとすれば,庫壁温度を制御するシステムは必要不可欠である.2)実験装置の試作を通じて,予備凍結と乾燥の過程における主要な品質影響諸因子を制御できる.コンパクトな「簡易実験(パイロット)用凍結乾燥機」を開発し,同様の機能をもつ生産規模装置の基本設計をえた.3)均等加熱のためには予備凍結において均等な凍結体を造ることが必要であり,充分深く冷却した棚上にバイアルを配置することが有効な場合があることを確かめた.4)棚/バイアル凍結乾燥における棚端末影響の主要原因が,乾燥庫壁面及び棚周辺の余白面からの追加入熱にあること,及び庫壁面の熱放射(吸収)率を向上させ,壁温度をトラップ温度と棚温度の中間適値に制御することにより,棚端末影響を殆ど解消できることを確かめた.5)生産規模の装置においては,壁の熱放射吸収率を約0.3〜0.4以上に調整し,壁温を棚温とトラップ温度の中間適値に保つこと,最適壁温は,採用する温度範囲における装置固有の定数Cを見出し,式:t_w<t_m,Δt_w=CΔt_h(ただし,Δt_w≡t_m-t_w,Δt_h≡t_h-t_m)の壁温を維持すること(棚温度,真空度とともに予め壁温プログラムを設定,または棚温度と品温をモニターし追値制御),この基本を試行錯誤によりさらに微調整することにより選定できる.
- 1990-10-20
著者
関連論文
- 5. 工学(物理化学,装置)(凍結乾燥に関する国際会議(I.I.R.C1 Meeting, Tokyo)で発表された論文の抄録)
- 5. 凍結乾燥におけるMTM法の利用と凍結乾燥の最適化(平成20年度第54回低温生物工学会年会)
- 6. 医薬用凍結乾燥機における不均等加熱の分析及び乾燥庫壁温制御による均等加熱の達成(平成2年度第36回凍結及び乾燥研究会研究報告,創立30周年記念号)
- 液材料の閉鎖系凍結乾燥技術
- 1. 凍結乾燥製剤におけるバイアルの転動シェルフリーズ(平成6年度第40回低温生物工学会研究報告)
- 12. 直立円筒凍結乾燥における凍層形成と未凍溶液部の濃縮現象(平成4年度第38回凍結及び乾燥研究会研究報告)
- 7. 直立円筒群による液材料の密閉系バッチ凍結乾燥機(平成2年度第36回凍結及び乾燥研究会研究報告,創立30周年記念号)
- 直立円筒による液材料の密閉系連続凍結乾燥 : その過程における材料の挙動(昭和63年度第34回凍結及び乾燥研究会研究報告)
- 医薬の凍結乾燥工程における棚温の一様性および材料の温度環境に関するバリデーション : 二、三の課題について(昭和63年度第34回凍結及び乾燥研究会研究報告)
- 2-1. 凍結乾燥の新しい技術 : 不凍水分の脱湿過程を中心に(Seession 2:凍結乾燥技術とその製品の物性,セミナー「凍結乾燥とその応用」)
- 9. 凍結乾燥装置の冷凍トラップの着氷パターンとトラップ能力(続報)(昭和59年度第30回凍結および乾燥研究会特別講演および研究会報告)
- 最近の凍結乾燥装置(VII.凍結・乾燥に用いる装置,機械の最近の進歩,セミナー「生物的生活の保持技術」)
- 工業用凍結乾燥装置のトラップにおける着氷パターンと最適設計(研究報告,第26回凍結及び乾燥研究会特別講演及び研究報告)
- 医薬用凍結乾燥装置の新らしい冷凍システムの開発 : 3重熱交換機器方式について(研究報告,第26回凍結及び乾燥研究会特別講演及び研究報告)
- 凍結乾燥の連続化(凍結及び乾燥研究会創立20周年記念講演「凍結及び乾燥技術の進歩と応用」)
- 非凝縮性気体を含有する冷凍材料の真空解凍における新しい排気法(昭和53年度第24回凍結及び乾燥研究会特別報告および研究報告)
- 4. 凍結乾燥装置における予備凍結能力向上の一つの工夫(一般講演,昭和50年度第21回凍結及び乾燥研究会講演並びに討論要旨)
- 3. バイアル中の薬液の最適乾燥条件選定の実施例と二,三の技術問題(一般講演,昭和50年度第21回凍結及び乾燥研究会講演並びに討論要旨)
- 2.薬液の凍結乾燥過程の真空制御 : 綜合試験装置による実験例(昭和48年度第19回凍結及び乾操研究会発表論文並びに討論要旨)
- 5.アンプル(バイエル)等小容器中の薬液の凍結乾燥最適条件について,とくにトレイの影響とその対策(第1セッション「凍結乾燥」,シンポジウム「凍結・乾燥と保護物質)
- 4.液材料(含平板形材料)の凍結乾燥速度と所要時間について,その簡単な図式解法を中心に(第1セッション「凍結乾燥」,シンポジウム「凍結・乾燥と保護物質)
- 18.線図による凍結乾燥状態(昇華期)の図示の試み : 乾燥条件と所要時間の推定のために(10周年記念号)
- 12. 共晶点電気抵抗測定装置による実験
- 3. 重量記録凍結乾燥装置の試作と乾燥機構の分析
- 2. 真空凍結乾燥過程における温度および気体圧力測定上の問題点
- 最近の医薬用凍結乾燥装置の技術動向
- 3. 大型食品凍結乾燥装置のコールドトラップにおける着氷と最適設計(平成12年度第46回低温生物工学会研究報告)
- 食品用凍結乾燥機の現状と技術動向
- 水蒸気--減圧形 (最近の解凍装置) -- (解凍装置の解説(各論)--水解凍)
- 凍結乾燥におけるMTM法の利用と凍結乾燥の最適化