^<14>C-BHAのラットにおけるオートジオグラフィー

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BHAは1982年ラッテの前胃に発癌性を持つことが解り、添加物としての使用について日米英加の会議が持たれ、更にFAO-WHOの添加物委員会で議されることとなった。その結果、動物発癌性は明確であるが、人には前胃がない、添加物の有用性から追試は続けるが当面使用禁止にはしないの評価結果となった。このことは発癌科学の進歩を踏まえ、発癌性物質はすべて使用禁止するという従前の考え方を否定し、公象衛生益から評価を考えるという歴史的転換であった。たまたま14C-BHCの供与を得たので念のためマクロオートラジオグラフィーを試みた。前胃の存在するF344雄性ラットを用いて14C-BHAを腹腔内に投与し、1時間後に重要臓器内放射能濃度を測定した。その結果、単位重量当たりの取り込みは腎が0.30%と最も多く、次いで小腸の0.16%、肝の0.14%の順であった。胃を前胃部と腺胃部に分けて測定したが、他の主要臓器と比べ積極的な取り組みを示す部位ではなかった。また、腹腔内投与1時間および3時間後の全身マクロオートラジオグラフィーをみると、両時期とも小腸が最も取り込みが多く、次いで腎、肝の順となり、前胃部、腺胃部はいずれも他の臓器と比べ積極的な取り組みはみられなかった。このことからF344ラットではBHAが体内から速やかに排泄されているものと考えられた。筆者らの方法で試験した場合、既文献と必ずしも一致した結果は得られなかった。
日本食品化学学会の論文
1995-03-28

^<14>C-BHAのラットにおけるオートジオグラフィー

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