熱電効果による体表循環の測定 : V. 情動の精神生理学的研究(2)(<特集>脳と神経の研究VI)
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概要
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熱電効果を利用した手掌皮膚血流の測定が,情動の指標として精神生理学的研究の目的にかなうものか否かを明らかにする第一歩として,正常者を対象にして負荷刺激の際の反応をみ,次の結果をえた。1.37名の健康成人について,負荷刺激(Taylar tesf, T.A.T.図版)により,いずれも皮膚血流の変化を惹起しえた。刺激と血流変化を対応の面からとらえると,全員対応型であり,疑対応,無対応型は見られなかった。2.この対応型を,刺激に対する向きの面からみると,皮膚血流の減少する型(下り型)と増加する型(上り型)があり,前者は76%,後者は22%,判定しえないもの2%となり大部分は下り型であるが,性別による両タイプの比は,男9:1,女5:3と女性にやや上り型が多い傾向がみられた。3.正常者と病者,薬物服用の有無などにより反応の表われ方がちがうことなどから,情動の指標として,臨床への応用の可能性が考えられた。
- 千葉大学の論文
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