脳浮腫についてのわれわれの研究(<特集>脳と神経の研究IV)
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概要
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脳浮腫を最もひろい意味にとってながめたとき,手術一時に急速に発生する正に脳腫張といわれるものから,重篤な脳溢血,重篤な脳挫傷,急性頭蓋内出血,くも膜下出血,脳挫傷,脳腫瘍,炎症性疾患などから中毒性疾患に及ぶ広汎な疾患まであげることができる。そしてこれらの病態を考えたとき出血,血管床の増大,血管透過性の亢進,および細胞の異常代謝などが濃淡相混じて,その根本をなしていると思われる。われわれはこの中で特に脳神経外科の立場から脳腫瘍,脳外傷などの際に発生する脳浮腫の本態を知らんとした。その方法としては,系統的研究に便ならしむるために動物実験を用い,これを電子顕微鏡的研究と生化学的研究方法とにより追求した。又現在脳浮腫の治療剤として代表的なものの作用機序をも明らかにせんとした。
- 千葉大学の論文
- 1967-00-00