中学校教師のチーム援助モチベーションに関する研究:インタビューを題材とした質的研究
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概要
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本研究の目的は、中学校教師へのインタビューを題材として、「中学校教師のチーム援助モチベーションを促進する要因は何か」を実践現場からのデータに基づいて明らかにすることである。データ収集においては、研究対象校の校長の許可を得て、第一筆者が教育相談主任、養護教諭、学級担任との半構造化面接を実施し、面接から逐語記録を作成した。データ分析においては、質的研究法の1 つであるグラウンデッド・セオリー・アプローチを用い、分析は学校心理学研究者および臨床心理学専攻の大学院生2 名(第二、第三筆者)により実施された。分析の結果、15 の概念が見出され、それはさらに【Iリーダーシップ】【II組織】【III雰囲気】【IV意識】の4 つのカテゴリーにまとめられた。 結果からみると、チーム援助モチベーションの促進要因は、ハード面の《組織》およびソフト面の《リーダーシップ》《雰囲気》《意識》であることが明らかになった。そして、《リーダーシップ》が《組織》の【柔軟なチーム援助】【システムの構築】および《雰囲気》に直接的に影響を与えていた。さらに、《雰囲気》は《組織》の【役割分担によるチーム援助】に影響を与え、《意識》とは相互に影響を与えあっていた。 チーム援助モチベーションが促進されるためには、組織が整えられることは大切であるが、その組織がより効果的に機能するためには、それを動かす教師集団の雰囲気や意識が大切であることが確認された。実践現場から導かれた本研究の結果は、理論的な先行研究では十分扱われてこなかったチーム援助モチベーションの促進要因が学校組織の視点から明らかになり、現在の教育界に対応するチーム援助の特徴を示唆している。
- 2009-03-15
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