アメリカにおける改革芸術学校ブラック・マウンテン・カレッジの芸術教育-学長J・A・ライスの教育理念とバウハウス教師J・アルバースの芸術教育上の貢献について-
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概要
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アメリカ合衆国の伝統的アカデミズムの芸術家養成は、20 世紀に入っても依然として古典的な形式の下に行われていた。1920 年代まで、20 世紀に生きる新しい芸術家を育成する改革的な芸術教育学は欠けていた。バウハウス教師ら亡命者たちの芸術教育学上の貢献は、ヨーロッパにおける造形表現理論と芸術教育学の遺産を、そのような従来の芸術教育を克服するためのオールターナティブな刺激(もう一つの改革的学問観、芸術教育学理解)としてアメリカ芸術界、芸術教育界にもたらしたことにある。1933 年、進歩主義教育運動に見られる改革潮流の中、古典語学教師J・A・ライスは、ノースカロライナ州アッシュビルに、高等教育の改革学校ブラック・マウンテン・カレッジを設立した。同大学は伝統的アカデミズムに対する南部の「新しい大学」として、注目を集めた。同年、ナチズムの弾圧により閉鎖を余儀なくされたドイツの改革芸術学校バウハウスから、芸術教師J・アルバースがアメリカへと亡命した。彼は、新しい時代の担い手(主体)を育成することを目指す学長ライスの教育理念に響応した。そして実験的・探求的な模索を通して学生たちが自らの表現を発見するという理念の下、伝統的アカデミズムの芸術教育とは一線を画する新たな芸術教育を展開した。
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