《文心雕龍》の語言記號の思想の研究(初論)(学校法人京都外国語大学創立60周年記念号)
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概要
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『文心雕龍』は「文を綴る者は情が動じて辞を発す」という言葉で「文」の生成過程を表現している。また「文を観る者は文を披ぶり,以って情に入る」という言葉で「文」を読みまた研究する過程を表現する。前のプロセスが終結する場所は次のプロセスの始まる場所であるが,この場所こそが,劉〓の著述である『文心雕龍』の関節点・「符外」である。この「因内」によって形成された「符外」全体を注意深く見ることにより,劉〓は「文」に関係する様々な,言語の記号の体系を次々と発見することになった。『文心雕龍』全体が描き出す言語の記号体系は多層的なものである。文中に顕在化しているものの角度から言えば, 『文心雕龍』は多くの部分で直接に「言語の記号」という概念を提出し,「言語の記号」が生まれる過程と,言語の記号を通じて現出する思想と思想を読み解く過程とを明確に論じている。またそれと同時に,劉〓は論述のプロセス全体で自己の「言語の記号」についての原則を堅持し,それを終始一貫して手がかりとして潜在させている。このことにより劉〓の論述は,ロジックの規律に沿った状態でコントロールされており,このことによってこの著作は永遠に色褪褪せない特色を呈しているのである。本稿では主として,劉〓の『文心雕龍』の中で顕在化した言語記号についての思想を論じたい。1,割〓の使う「符」の概念と西洋記号学の「記号」の概念には,驚くほど似かよったところがある。2,割〓の記号学の思想は, 『文心雕龍』の論述の中に以前も今後もあり得ないような科学的な思想現出させている。3,劉〓の記号学における「過程」の」道筋。4,中国の言語の伝統における「符」。5,劉〓の『文心雕龍』での「符」の多重的用法。6,『文心雕龍』の言語の記号体系。
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