文章理解における因果的橋渡し推論処理過程の精緻化(英語教育)
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概要
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Singer(e.g.,1993)が提唱するvalidation modelによれば,因果的橋渡し推論が成立するためには,その推論が読み手の既有知識によって確認されなければならない.例えば,「ドロシーはアスピリンを飲んだ.痛みがなくなった.」という文章を理解するには,RELIEVE [ASPIRIN, PAIN]のような仲介命題が想起される必要がある.そして,この命題が既有知識によって確認されるのである.一方,そのような既有知識が存在しないか,容易に検索可能でない場合はどうか.本論文では,必要な知識が検索あるいは生成されるまで精緻化作業が行われ,その結果,因果的推論が生成・確認されるという仮説を立て,2つの実験によって検証した.第1実験は,読み手は文章の整合性を因果関係によって判断する傾向があること,また,一般的な既有知識によって因果関係が確立しない文章でも因果性が認められることを確認した.第2実験では,リーディング・タイムの計測によって,因果関係が弱い文章も因果関係が導かれるが,精緻化作業のための文処理時間が,因果性の高い文章より,余分にかかることを確認した.Kintsch(e.g,1998)の構築-統合モデルによって,この文処理過程を計算モデル的に議論する.
- 国際基督教大学の論文
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