無線LAN環境下におけるCompound TCP公平性改善手法の提案(ユビキタス/ブロードバンドネットワークの品質とメディア品質、品質評価モデル、信頼性とセキュリティ、コンテンツ、インセンティブ、一般)

概要

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広帯域・高遅延なネットワーク環境におけるTCPの改善手法としてCompound TCPが提案されている.Compound TCPはパケット棄却を輻輳の指標とする損失ベースの輻輳制御方式と,ラウンドトリップ時間の変化を輻輳の指標とする遅延ベースの輻輳制御方式を組み合わせた輻輳制御を行い,広帯域・高遅延の有線ネットワーク環境において高いスループットを得ることが可能である.一方,無線LAN環境で従来のTCPを用いた場合,無線LANのアクセス制御が原因でコネクション間のスループットが不公平になるという問題が存在する.Compound TCPは,従来のTCPと同様の輻輳制御を含んでいるため,同様の問題が発生することが考えられる.そこで本論文では,まず,無線LAN環境下におけるCompound TCPの性能評価を行い,従来のTCPと同様の問題が発生することを示す.さらに,この問題を解決するCompound TCP+を提案し,シミュレーションにより評価する.Compound TCP+は,ネットワーク中の滞留パケットの推測値を用いて,より細かい輻輳制御を行う.シミュレーションの結果,無線LAN環境において,コネクション間のスループットを公平とすること,さらに広帯域・高遅延環境下でも高いスループットを得ることが可能であることを示す.
2009-04-09