静岡県桶ヶ谷沼地域における絶滅危惧種ベッコウトンボ(Libellula angelina)の遺伝的多様性
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概要
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絶滅危惧種であるベッコウトンボの羽化殻を用いたRAPD解析によって、ベッコウトンボの集団に直接影響を与えることなく、遺伝的多様性を明らかにした。静岡県磐田市桶ヶ谷沼地域の3つの発生地で採集した60個体に対して80種類のプライマーを使用しRAPD解析を行った。17種のプライマーから20個の遺伝子座で多型が検出され、12種のDNA型が見つかった。そのうち集団特異的なDNA型が合計4つ検出された。遺伝子多様度は平均0.317、遺伝子分化係数は平均0.07となり、集団間の多様性は小さかった。AMOVA分析によっても集団間の分化は検出できなかった。また3集団から見出された変異は98.7%が集団内の個体間変異に、集団間では1.3%となった。クラスター分析からも集団間は非常に類縁関係が高いことが明らかになった。
- 2009-05-30
著者
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高橋 純一
京都大学生態学研究センター
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椿 宜高
京都大学生態学研究センター
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高橋 純一
京都大学生態学研究センター:(現)京都産業大学総合生命科学部生命資源環境学科
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福井 順治
静岡県立磐田南高等学校
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