ロシア極東経済の現状と北東アジア
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概要
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本稿の目的は、(1)ソビエト連邦解体後におけるロシア極東地域経済の概況をとりまとめると共に、(2)経済統計に基づきその変容と今後の動態を展望するものである。極東の人口規模は2003年において既に700万人を下回っており、それが今後拡大していくことは想定出来ない。従ってその市場規模は極めて限定されたものになる。またソ連末期のように、この地域に800万人を越える人口を維持することはコスト面で見て困難が存在することは自明である。そうした側面からすれば、ある程度ロシア極東から人口流出が発生したこと自体は合理的であったと言うことも出来、世界銀行主導のNorthern Restructuring Programに妥当性を見いだすことが可能である。かつての中央政府の意志決定によるような極東開発政策の転換といった政治的要因が前面に出てこない限り、ロシア極東開発の抱える問題は依然として容易に解決出来るものとは言い難い。国際市況に応じた資源開発を期待することは可能であるが、そこでもかなりの高騰が見込まれることが要件となるであろうし、ロシア極東地域の抱えるさまざまな問題を考えればそれは将来的な課題と言うべきであろう。
- 2009-03-30
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