9.地盤影響を考慮した確率論的地震危険度の評価
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概要
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長期的な地震危険度の予測の観点から、確率モデルによる地震危険度評価の有用性は、既に広く認知されているものと思われる。本研究では、評価結果の理解と適用性を拡大することを目的とし、次の特徴を持った評価を実施した。(1)全国の活断層の分析・分類 全国の2419本の活断層を地震源としての観点から分析・分類し、地震危険度評価に利用した (2)地震域の設定と歴史地震の分析 地震地体構造等を考慮の上全国を39の地震域に分割して地震域毎に地震の規膜別発生頻度の分布をと深度分布を分析し、地震危険度評価に利用した (3)地震の発生震度の影響を考慮 震源を5km四方×深さ方向10km単位の3次元メッシュ(全国約22万メッシュ)に分割し、震央距離ではなく震源距離をパラメータとして地震危険度を評価した (4)地盤条件の影響を考慮 埋立地、砂州、砂丘、自然堤防、三角州性低地、三角州性低地、ローム台地、山麓地、丘陵地(洪積層、丘陵地(第三紀以前)、山地といった地盤種別を反映して地震危験度を評価した (5)木造建築物の破壊度を反映した地震危険度を評価 地表最大加速度レベルに対応した木造建築物の全壊率を反映し、確率的な観点から地震危険度を評価した (6)全国を第3次メッシュの分肺胞で評価しマップを表示 国土数値情報を活用し、全国を第3次メッシュ(約1平方キロメートル)の約39万メッシュに分割して、これらのメッシュ単位で地盤条件を反映し、地震危険度マップを表示した (7)3種の指標でのマップを表示 個々の評価対象地点における地震ハザード曲線の評価の他に、上記のメッシュを単位として最大加速度の再現期間値(100〜1000gal間の50gal間隔での再現期間値)、最大加速度の期間内再現期待値(50〜2000年期間内での再現期待値)、木造建築物の期間内全壊率(50〜2000年期間内での全壊率)のマップを表示した (8)加速度応答スペクトルを評価 最大加速度による地震バザード曲線の評価と同様に、確率的な観点から、個々の評価地点における地盤条件を考慮した加速度応答スペクトルを評価した これらの評価をパソコンによって容易に実施できるシステムを開発した。以下の評価オプションをウィンドウ面面のメニューにより選択し、容易に評価条件が設定できる。a.距離減衰式の選択、地震域に応じた距離減衰式の選択 b.地震発生の空間的モデル(深度分布モデル)の選択 c.評価期間の選択 d.地震発生の時間的モデルの選択 e.通常の地震域の他,、空白域、シナリオ地震域等の地震域モデルの選択 f.地盤種別の選択 本報には、関東・東海地方の評価結果の例を添付した。
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