27. 大都市災害の被災状況分析ツールとしてのGISの活用と応用・展開の可能性について : 阪神・淡路大震災を事例
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概要
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1. 研究の背景 1995年1月17日早朝に発生した阪神淡路大震災は、5000名を越える犠牲者、数十万といわれる被災世帯など、稀に見る規模の大惨事であった。その後、様々な対策が講じられてはいるものの、震災以前の状況に復するには未だ時間を有する状況である。特に、被災地域の大半は、高度に市街化が進んだ既成市街地であり、復興計画の策定にあたっては種類・量ともに莫大なデータを扱う必要がある。また事態は緊急性を有することから、短期間に高度な検討をおこなうことが要求されており、従来のような予作業を主体とした復興計画の検討をおこなうことは困難である。このために応急被災度判定など被災状況に関する情報、都市計画基礎調査など被災前の状況に関する情報など、多様な原情報から必要な情報を迅速に抽出し、効率的に利用できる体制を構築することが焦眉之急を要する事態となっている。 2. 研究の目的 本研究は、阪神・淡路大震災によって被災した主要都市(神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市、宝塚市、伊丹市、川西市)を対象として、市街地の状況(建物形状、道路線、水涯線、鉄道等の形状データ、建物用途、建築物の被災情報、および市街地の集団的属性情報(市街地指標)、更には社会的属性情報等)を地理情報システム上に構築し、被災状況の実態の把握ならびに被災状況と市街地指標の関連性について分析し、被災市街地の復旧・復興支援のために集計・分析結果の情報提供を行うシステムを構築することを目的としている。 3. 研究の概要 被災市街地の復旧・復興を情報の面から支援をするために、建設省建築研究所が神戸大学等と協力して開発しつつある「阪神・淡路大震災復興計画策定支援システム」の開発状況と、取り扱うデータおよびそれらのデータの問題点について整理する。そしてそれらのデータを地理情報システムとして統合するために用いた手法について述べる。また、このシステムを用いた現段階での被災状況に関する集計結果について報告する。さらに今回の主要な開発目的である復旧・復興のための情報支援ばかりでなく、GISの防災研究面への活用として地震学、耐震工学、都市防災等の各研究を有機的につなぐことや、これを応用して災害発生時にリアルタイムに各地の被害を予測し適時・適切・迅速な防災対応を講ずるための情報プラットフォームになることの可能性について論述する。
著者
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