イラン・イスラーム共和国の看護師の職域とその変化に関する報告
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概要
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本稿では、イラン・イスラーム共和国の看護師の状況を日本の状況との比較を交えながら紹介した上で、近年見られるイランの看護師の職域拡大について報告する。1979年のイスラーム革命後に教育を受けたイランの看護師は、学歴が高い専門職としての地位確立を求めて、准看護師や看護助手との差別化を強調し、教育や管理、公衆衛生の分野での活躍をめざしてきた。だが、現実的には、看護師の職域は都市部の病院内に限定され、管理者・教育者としての役割を担う者もわずかであった。しかし、ここ数年、今後到来すると予想される高齢化への対策として始まった高齢者のためのプログラムや、入所型の高齢者介護施設、在宅で療養生活を送る高齢者を対象とした巡回診療などの領域において、看護師が管理者として、教育者として、地域社会とより密接なつながりをもつ活動に参与していく可能性が見出される。
- 2009-03-31
著者
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Oskoui Fatemeh
School Of Nursing And Midwifery Iran University Of Medical Sciences
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細谷 幸子
東邦大学医学部看護学科