『及第台子伝書(仮題)』(同志社大学文化情報学部蔵)
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概要
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資料紹介本書は室町幕府の同朋であった相阿弥の伝書『君台観左右帳記』の末尾に付された、茶の湯で用いられる及第台子の伝書である。及第台子(及台子とも)とは、茶の湯で用いる台子という棚物の一種で、中国の進士の科挙にちなむものという。科挙に合格するとくぐることを許された門の形をとったものとも、及第の作文を置く台を模したものとも言われてきた。ちなみに本書では、試験用の書籍を置く台としている。その形状については、本文末尾の図版を参照されたい。本書は足利義政の同朋相阿弥の書き記したものが、京都の針屋家で代々伝えられたという。針屋は京都の上京に住いした豪商で、七夕茄子・針屋円座肩衝・星肩衝など多くの茶の湯名物道具を所持したという。また堺の天王寺屋にも『君台観左右帳記』が所蔵され、大徳寺僧江月宗玩の兄、津田宗凡から自民斎宗貫が小堀遠州と共に相伝されたという。本書は後に寛永・寛文の二度にわたり相伝されるが、その内容は『長闇堂記』の一部とも重複し、興味深い。わずか42箇条しかない本書ではあるが今後の検討が俟たれる。This book is Chanoyu-textbook Kyu^-dai-daisu as an appendix of So^ami's Kundsikan-sochoki . Soami is a dohoshu^ in the days of the Muromachi shogunate. Kyu-dai-daisu (also called Kyu-daisu) is a type of daisu shelf unit.It was converyed to Japan from China, and the name Kyu^dai-daisu (passing the examination) comes from the resemblance of this daisu to the gate for new government officers who had passed the examination in Song dynasty in Chaina. Hariya (a family of wealthy merchants lives in Kyoto in kamigyo area) possessed this textbook.
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