マングローブ林由来鉄・マンガン錯体の電気化学測定法による検出
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、炭素電極による電気化学制定法によるマングローブ林の底泥間隙水の鉄およびマンガン錯体の検出方法の確立を目的に、pHや塩濃度変化による鉄錯体、マンガン錯体の検出について検討した。その結果、炭素電極はGRC電極による測定が最もマングローブ底泥由来錯体の検出に適していた。同電極によって鉄錯体、マンガン錯体の同時計測が可能である事が、モデル配位子を用いた分析の電位の差から明らかになった。塩分濃度の変化と鉄錯体およびマンガン錯体の電位を比較した結果、塩分濃度が増加するにつれて塩化鉄および塩化マンガンの還元波のピーク電位が移行する傾向がみられ、現場計測の際には、塩分濃度の同時測定が必要である事が明らかとなった。また、マングローブ底泥直上水の測定を行なった結果、0.21Vに還元波が見られた。この溶液に塩化マンガンを添加すると同ピークの電流値が高くなる現象が見られたことから、本ピークはマングローブ底泥由来マンガン錯体の可能性が考えられた。また、本還元波はpH6-8.5の範囲で大きな電位変化がないことから、比較的安定性の高い錯体の可能性が示唆された。
- 沖縄工業高等専門学校の論文