硫酸まぐねしうむノ家兎血中糖乳酸並ニあるかりれざーぶニ及ボス影響
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概要
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動物ヲ酸素欠乏状態ニ置ク時ハ過血糖々尿ノ外ニ尿中乳酸ノ増加ヲ來シ、中樞性糖尿ノ際モ亦血中及ビ尿中乳酸ノ増量スル事ハ周知ノ事實ナリ。他方麻醉ノ場合ニあちどーぢすノ來ル事ハ諸家ノ認ムル所ニシテ殊ニえーてる麻醉ノ其ニ就テハ多數ニ實驗セラレタリ。而シテ余ハ先ニ硫酸まぐねしうむヲ經口外ニ投與スル時ハ麻醉ニ陷ルト同時ニ過血糖々尿ヲ起シ該過血糖々尿ハ兩側内臟神經切斷ニヨリテ大部分抑制セラルヽモ完全ニ消失スルニ至ラザルヲ見、該過血糖々尿ハ一部中樞性ニシテ一部末稍性ナルヲ知ル。此關係ハえーてるノ其レトヨク類似ス。故ニ硫酸まぐねしうむニヨル麻醉ノ際モえーてるノ場合ト同樣血中乳酸増量シあるかりれざーぶ減少ス可シトハ想像ニ難カラザルモ未ダ此種ノ實驗ナキニヨリ該問題ヲ解決セン爲本實驗ニ着手シ次ノ成績ヲ得タリ。(1)余ノ前實驗ト同樣硫酸まぐねしうむニヨリ著明ナル過血糖ヲ來シ該過血糖ハ鹽化かるちうむヲ同時ニ注射スル事ニヨリ約半分兩側内臟神經切斷ニヨリ大部分抑制サル。(2)正常家兎ノ血中乳酸量ハ一一・三乃至二六・三%ノ間ヲ移動スルモ兩側内臟神經切斷家兎ニテハ殆ンド一定シ移動範圍大ニ縮小サル。硫酸まぐねしうむ注射後ハ血中乳酸量著明ニ増加スレドモ鹽化かるちうむヲ合併注射スル際ハ乳酸量ノ増加少ク硫酸まぐねしうむノミ注射セルモノヽ約2/5ニ當ル。兩側内臟神經切斷家兎ニテハ殆ンド増加セズ。(3)血中炭酸量ハ正常家兎ト兩側内臟神經切斷家兎トノ間ニ相違ヲ認メズ。あるかりれざーぶハまぐねしうむ注射ニヨリ著明ニ減少ス。而シテまぐねしうむト同時ニかるちうむヲ注射セル時ハまぐねしうむノミ注射セル時ヨリ減少度少ケレドモ尚可ナリ減少ス。兩側内臟神經切斷家兎ニまぐねしうむヲ注射セル時ハまぐねしうむトかるちうむヲ合併注射セル時ト略同樣ナリ。即チ兩側内臟神經切斷家兎ニテハまぐねしうむ注射ニヨリテ血中乳酸量増加セザルモあるかりれざーぶノ減少ニハ何等影響ナシ。あるかりれざーぶノ減少ハまぐねしうむニ因ル麻醉ノ度ト平行セズ。(4)まぐねしうむ注射後ノ呼吸數増加ハかるちうむ注射ニヨリテモ亦兩側内臟神經切斷家兎ニ於テモ殆ンド變化ナシ。又此呼吸数數ノ増加ト血中乳酸ノ増量トハ一定ノ關係ヲ有スルモノニ非ズ。(5)まぐねしうむ注射ニヨリテ總テ體温下降ス。其下降程度ハ正常家兎ニテ最強ク、兩側内臟神經切斷家兎之ニ次ギまぐねしうむトかるちうむトノ合併注射ノ場合ニ於テ最モ弱シ。
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