光強散乱媒質中における光局在のFDTD解析 : 光局在モードの新規制御法の提案(有機薄膜・複合膜とデバイス応用,一般)
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概要
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近年、光のアンダーソン局在やランダムレーザー発振をはじめとして、光の波長程度の大きさの光強散乱体が空間的にランダムに分布したランダム光散乱媒質と光の相互作用や、その機能応用に関する研究が活発に行われている。特に強局在状態においては、時間領域差分(Finite Domain Time Domain:FDTD)法と4準位系のエネルギー構造におけるレート方程式を組み合わせた半古典的モデルに基づく数値解析により、スパイク状のランダムレーザー発振波長のそれぞれのピークが空間的に局在した異なったモードと対応することが明らかにされている。本研究では、以上の知見に基づき、光強散乱媒質に歪みを加えることによる新たなランダムレーザーのチューニング法を提案する。光散乱体をエラストマー中にランダムに分散させた系を想定し、系を歪ませた場合での光局在モードについてFDTD法に基づき解析を行った。数パーセントといったごく僅かな歪みにおいても、局在モードの波長にナノメートルのオーダーでの変化が観測された。これはランダムレーザーをはじめ、光局在に基づく光デバイスの新たな制御法として興味深いと考える。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2008-10-31
著者
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松井 龍之介
三重大学 工学研究科 電気電子工学専攻
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松井 龍之介
三重大学工学研究科電気電子工学専攻:三重大学極限ナノエレクトロニクスセンター
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松井 龍之介
三重大学工学研究科:三重大学極限ナノエレクトロニクスセンター
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