高校生の生活状況とスポーツ満足度に関する調査研究
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概要
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本研究では、受験生活からくるスポーツ活動への影響を把握するため、高校生のスポーツ満足度とその要因について分析を行なった。このような分析を通じて次のことが明らかになった。スポーツへの満足度には学校差があり、スポーツ実施度が高い生徒が多い学校(職業校)ほど満足度は高い。しかし、こうした実施度と満足度の関連は、個人のスポーツとの関わり方により支配されていると言える。特に、スポーツ活動そのものに対する好意的・非好意的態度と活動を支える外的条件(時間)の2つが大きく満足度を左右するものとして働いている。こうした好意的・非好意的態度は、単にスポーツ活動そのものへの好き・嫌いといった尺度でなく運動部経験年数、現在の入部の有無、スポーツ実施度、余暇時の選好パターン、運動能力の優劣といった要因が複合された尺度として満足度を規定している。またスポーツ活動を支える外的条件としては、生活時間配分との関連性が高く、特に受験生活と関係する家庭での学習時間の説明力が大きい。すなわち家庭での学習時間量の多い少ないは、余暇時間に反映され、スポーツ活動自体も制約を受けている。以上のことから、高校生のスポーツ活動に対する満足度は普通校と職業校の間に差が見られ、そうした差は家庭学習時間といった受験生活によるものが大きい。しかし何よりも、各生徒の過去および現在のスポーツとの関わり方に規定される所が多い。