暴走族対策としての姫路市条例制定の審議過程
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概要
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論説(Articles)市行政の警察的役割を、市民はどう考えるのだろうか。本稿は、姫路市が2001年に制定した暴走族対策の「生活安全条例」の審議過程を取り上げ、議会でどのような関心が議論されていたのかを検証し、この疑問を考える一助としたい。姫路市は、当時、警察官僚出身の市長が犯罪からの安全安心を重視し、週末深夜にエスカレートしていた姫路駅前の暴走族を根絶すべく、彼らを煽る「ギャラリー」を規制する自主条例制定に乗り出した。オール与党体制にもかかわらずこの条例案は市議会で強い批判を受け、条例案は一度撤回された。姫路の生活安全条例案は少なからず報道もされ、市民の関心を集めたため、市の役割(福祉政策的な期待が強い)と警察の役割との関係を問い直す一つの機会が生まれたといえよう。しかし、実際の議論は、もっと目に付きやすい部分、たとえば「特攻服」それ自体の規制、若者のエネルギー発散、条文の曖昧さを技術的に解消することなどにばかり向かってしまい、概して福祉的イメージの強い市レベルの行政が司法警察的役割の一部をどう担うのかにまでは議論が及ばなかった。Himeji City was troubled with spasmodic violences by young motor gangs in public spaces, though often minor crimes or misbehaviors. Officials thought that this problem were excited by irresponsible spectators. The mayor, who was once bureaucrat of National Police Agency, introduced the bill that would prohibit those spectators from cheering hot-rodders. Surely this regulation included many problems in view of civil liberty, but catchy superficials (the peculiar costume for hot-rodder in itself, newly constructing practice fields in order to give vent to the young's energy, etc.) dismissed the problematics on redefining municipal police role. This paper reviews its discursive process in 2000-2001.
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