日本で英語教育を受けた日本人大学生の英語学習ストラテジーの使用 : 2つのペア・ワークによる相互コミュニケーション・タスクにおける英語学習ストラテジーとコミュニケーション能力の関係(英語教育)
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概要
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学習の熟達度に影響を与えるストラテジー使用について,多くの研究が最近行なわれている.しかし,本研究の目的である会話のタスクにおけるストラテジー使用に関する研究は未だ限られており,特にペア・ワークにおけるストラテジーの調査は稀である.そこで,英語を外国語として学ぶ日本人に関して,学習ストラテジーとオーラル・コミュニケーション能力間の関係を研究するため次の2つの仮説を検証した.仮説1:高いオーラル・コミュニケーション能力のある外国人英語学習者は,能力の低い学習者よりも,より多くの数と種類の学習ストラテジーを使用する.仮説2:高いオーラル・コミュニケーション能力のある学習者は,全てのストラテジーの中でメタコグニティブ・ストラテジーを数,種類ともに一番多く使う学習ストラテジーの過去の研究には,多くの弱点(データの収集方法,統計処理のし方)や,限界(母集団の数,タスクの少なさ)がみられた.本研究の価値は,過去の研究に欠けていた点を補う工夫を試みたという点にある.結果,オーラル・コミュニケーション能力とストラテジー使用の高い関連性が証明され,また,メタコグニティブ・ストラテジーと他のストラテジーとの密接な関係も明らかになった.1)優秀な学習者は,そうでない学習者よりも多くの数と種類のストラテジーを使用する.2)学習者の能力差は,メタコグニティブとコグニティブ・ストラテジーの使用において特に,大きな違いが見られる.3)メタコグニティブ・ストラテジーと他のストラテジーの間に密接な関係がある.4)メタコグニティブとコグニティブ・ストラテジーは主要ストラテジーである.5)あるストラテジーの欠如は,メタコグニティブ・ストラテジーの使用によって補われる.6)周到なトラテジー使用を盛り込んだ学習計画は,優秀な学習者になるためのカギである.7)ストラテジーの使用はタスクの内容と要求度〔単純か,複雑か〕に大きく左右される.
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