ベトナム人日本語学習者の漢越語知識と漢字語彙習得についての一考察 : 現地における正誤判断テストとインタビュー調査から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、ベトナム人日本語学習者の漢越語知識と日本語の漢字語彙習得の関係について実証的な調査を試みたものである。調査は日能試2級語彙から抽出した日越同形漢字語彙20語を類義語(O)、異議語(D)、同義語(S)に分類、使用教科書の提出課と照合させながら正誤判断テストを作成し、ベトナムの大学で日本語を学ぶベトナム人学習者69名を対象に実施した。加えて、テスト実施後、協力者十数名に対してフォローアップインタビューを行い、正用、誤用の要因を探った。調査の結果、習得の難易の要因が、日本語の漢字語彙と漢越語の意味の重なりや違いからくる転移以外に、習得方法、教育方法によるところも大きいことがわかった。このことから、漢字語彙指導にあたっては、日越同形漢字語彙を初級段階から積極的に扱う、漢越語との違いを意識的に明示するなど、ベトナム語母語話者に特化した教見方を確立することの重要性に触れた。
著者
関連論文
- ベトナム人日本語学習者の漢越語知識と漢字語彙習得についての一考察 : 現地における正誤判断テストとインタビュー調査から
- ベトナムの日本兵が残していった日本語 : ベトミンに加わったあるベトナム人の語りから
- 第3者国環境に住む多言語使用者の調整行動とその規範 : バンコクに滞在するベトナム人女性の事例から
- LD・ADHD日本語学習者への支援に関する一考察 : 「実践日本語」における教師の事例から (インターアクションのための日本語教育 : 実践日本語の理論と実際)