肉類と魚介類における脂質、コレステロール量および脂肪酸組成の比較
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概要
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前報までの結果を踏まえ、肉類69食品と魚介類84食品における脂質量、コレステロール量および脂肪酸組成について比較検討した。(1)肉類における可食部100g当たりの脂質量の平均値を降順で示すと豚肉、牛肉、鶏肉の順となり、魚介類の約3倍高い値であった。(2)コレステロール量の平均値は、その他の魚介類が最も高く、肉類より魚介類の方が高い傾向を示した。(3)肉類における脂質量とコレステロール量の相関係数は0.1978で弱い正の相関が認められたが、魚介類においては有意な相関は認められなかった。これらの関係から、コレステロール含量は総じて脂質量に相関せず、動物体の種類を問わず共通の含有量およそ60mg/100gをもつ傾向を示すと考えた。(4)摂取脂質のS:M:P比は、魚類および魚介類の平均値が約3:4:3の望ましい比率に近い値を示した。肉類は、3〜4:4〜5:1と多価不飽和脂肪酸が顕著に低い割合であった。(5)P/S比の平均値は魚介類が1.2、肉類が0.17であったが、種類別にかなりのバラツキが見られた。(6)脂肪酸組成において、魚介類ではオレイン酸含量が最も高く、次いでパルミチン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イコサペンタエン酸(IPA)の順であった。肉類では降順に示すとオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸の順であった。両者にはDHA、IPAなどの多価不飽和脂肪酸含量に顕著な差が認められた。(7)n-3系多価不飽和脂肪酸量は魚介類が肉類の約8倍高く、n-6系多価不飽和脂肪酸量は肉類が魚介類の約3倍高い値であり逆の傾向を示した。なお、本研究の一部は第51回日本栄養改善学会(金沢,2004)において発表した。
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