半導体レーザ吸収法によるExpansion Tube 気流の計測
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概要
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2005 年3 月からの1年間、長期在外研究員として滞在したStanford 大学機械工学科(Department of Mechanical Engineering)高温気体力学研究室(High Temperature Gasdynamics Laboratory; HTGL)において、2005 年7 月に完成したばかりのStanford 6 inch Expansion Tube 気流の静温計測のための研究を行った。expansion tube の気流持続時間は数10μs〜数ms と非常に短く、通常の温度センサによる温度計測は時間応答性の面から不可能であり、衝撃波速度を介した推定も誤差が大きい。このため高速の直接温度計測が可能な半導体レーザ吸収法を用いて気流静温の計測を行った。半導体レーザ吸収法の対象計測種としては気体水分子を用いた。吸収法の原理と温度算出手法、多数の水分子吸収線から試験条件に最適なラインを選択する最適吸収線選定プログラムの構築、吸収量及び温度計測のデータ処理ソフトの作成、expansion tube での計測用模型及び計測システムの製作の概要を紹介する。吸収線選定及びデータ処理にあたっての吸収線データベースとしてはHITRAN2004 を活用した。構築したシステムを用いてexpansion tube 気流の計測を行った。半導体レーザ吸収法のスキャン周波数はexpansion tube気流の持続時間を考慮し50kHz(20μs 毎に1点の温度を算出)とし、吸収量データの取り込みは50MHz、1スキャンあたり1000 点のデータを使った。まず吸収線1本のシステムでシステムの動作確認も含めたexpansion tube の試験時間の同定試験を行い、次に2本の吸収線を同時に計測するようシステムを拡張し、expansion tube 気流の静温の時間履歴を計測した。
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
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中北 和之
宇宙航空研究開発機構総合技術研究本部風洞技術開発センター
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中北 和之
宇宙航空研究開発機構 研究開発本部
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JEFFRIES Jay
スタンフォード大学機械工学科高温気体力学研究室
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HANSON Ronald
スタンフォード大学機械工学科高温気体力学研究室
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