アレルギー疾患既往がある妊婦の健康と食習慣に関する研究 : 大都市近郊の実態調査

概要

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本研究の目的は,大都市在住の妊婦の健康と生活習慣および食習慣の実態を調査し,アレルギー疾患既往との関連を明らかにすることであった。回答を得た妊娠週数20週未満の妊婦295人(回収率;100.0%)のうち除外基準に従い280人を分析対象として以下の結果を得た。1)対象者の19.9%にアレルギー疾患既往があった。既往の有無は,非妊娠時の体格,健康レベルと有意な関連はなかった。対象者のうち妊娠5ヵ月の妊婦73人の非妊娠時からの平均体重増加量は,非妊娠時の体格別に,「やせ」:2.34±1.54kg,「標準」:2.94±2.82kg,「肥満」:1.33±3.91kgであった。2)妊婦の食習慣およびその他の生活習慣とアレルギー疾患既往との関連は,食習慣のなかで,「1日1回は植物油をとる」(p=0.022)「動物性脂肪をひかえる」(p=0.023)が有意であった。妊娠中も喫煙や飲酒を続けている妊婦が比較的多かったが,アレルギー疾患既往との関連は認めなかった。アレルギー疾患既往がある妊婦の生活環境の多様性を考慮し,妊娠早期から食習慣を把握して体重増加量を検討する必要性が示唆された。