寒地におけるダイズ子実イソフラボンの含量・成分組成に及ぼす登熟気温の影響および品種間差(品質・加工)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北海道内全域で栽培されたダイズのイソフラボン含量を調査したところ,同一品種でも栽培地によって含量は変動し,登熟期間の平均気温(以下,登熟気温)との間に有意な負の相関が認められた.また,同一栽培地での明らかな品種間差も確認され,「ゆきぴりか」および「音更大袖」の含量が最も高かった.ゆきぴりかは,各適応地帯において標準品種(トヨコマチ)比1.3〜1.5倍の高含量を示す一方,栽培地間の変動係数は年次間変動を含めても標準品種より低かった.また,ゆきぴりかの高イソフラボンは,登熟後半におけるダイズイン類の蓄積が一般品種より顕著であることに起因しており,ダイズイン類のゲニスチン類に対する比率(D/DG率)も高まっていたが,品種間および交雑後代系統間にイソフラボン含量とD/DG率の有意な相関は認められず,これらは,独立した遺伝形質であると推察された.一方,D/DG率は同一品種でも栽培地によって変動し,イソフラボン含量と同様に登熟気温と有意な負の相関が見られたことから,イソフラボン蓄積を促進する条件は,D/DG率の決定にも何らかの影響を及ぼしていると考えられた.
- 2009-01-05
著者
-
田中 義則
北海道立十勝農業試験場
-
加藤 淳
北海道立中央農業試験場:(現)北海道総務部
-
谷藤 健
北海道立中央農業試験場
-
三好 智明
北海道立十勝農業試験場
-
鈴木 千賀
北海道立十勝農業試験場
-
加藤 淳
北海道総務部
-
白井 滋久
北海道立北見農業試験場
-
鈴木 千賀
十勝農試
-
鈴木 千賀
道総研十勝農試
関連論文
- 品質・加工 北海道における豆腐用ダイズの品質特性の差異とその加工適性に及ぼす影響
- ダイコンのテクスチャー評価法と浅漬け加工に伴うテクスチャーの変化(収穫後の貯蔵・流通)
- ジャガイモのデンプン含量が調理特性に及ぼす影響
- 寒地におけるダイズ子実イソフラボンの含量・成分組成に及ぼす登熟気温の影響および品種間差(品質・加工)
- 可視および近赤外分光法によるジャガイモデンプン価の非破壊計測と選別技術への応用
- 小麦のデンプンおよぴグルテンの特性がゆでめんのテクスチャーに及ぼす影響
- 早熟、複合抵抗性のコンバイン收穫向きダイズ新品種「ユキホマレ」の育成
- ダイズ裂開粒の発生要因の解明と発生の品種間差
- 2003年の冷害年における十勝管内の大豆生育
- エライザ法によるコムギデオキシニバレノールの迅速測定技術
- エライザ法による生麦のデオキシニバレノール分析技術
- WILIS由来のダイズわい化病抵抗性系統の評価と選抜法
- 粒大が極めて大きく、裂皮の少ない大豆新品種「中育52号」
- ダイズ新品種「ユキシズカ」の育成
- ダイズ草型が普通型コンバイン収穫適性に及ぼす影響
- ダイズ新品種「ユキホマレ」の育成
- SSRマーカーによるダイズシストセンチュウ・レース1抵抗性のQTLマッピング
- ダイズ新品種「ハヤヒカリ」の育成について
- 15 ダイスの草型、畦幅および栽植密度が収量および収量構成要素に及ぼす影響
- ダイズ新品種「トヨホマレ」の育成について
- もち米の未ハゼ粒発生に関する研究
- α-アミラーゼ活性を指標とした小麦品質評価システム
- アズキおよびインゲンマメの加工特性とその変動要因に関する研究
- 小豆の百粒重とアン粒径の関係
- 北海道産小豆の品質関連形質の変異および種皮色とアン色の関係
- 試験成績・研究成果 豆腐用道産大豆品種の育成に向けた豆腐加工適性(硬さ)評価法
- 北海道産大豆の成分特性および豆腐加工適性の評価
- 北海道全域から収集した大豆のイソフラボン含有量 : 品種および栽培地による差異
- だいず「ユキホマレ」のセンチュウ抵抗性を強化した新品種「十育247号」
- 近赤外分光分析法によるダイズの遊離型全糖に関する簡易測定法
- SSRマーカーによるダイズシストセンチュウ抵抗性(レース3,1)に関するQTL解析
- 赤かび病の灌水・接種検定法における問題点と秋まきコムギ抵抗性系統の育成
- 小豆熱水抽出物が人体の生理調節機能に及ぼす影響
- 光センサーによるナガイモの品質(乾物率・ねばり)測定技術
- 小豆の抗酸化成分による生理調節機能の解析
- アズキのポリフェノール含量および抗酸化活性の非破壊評価技術
- 光センサーによるながいもの品質(乾物率・ねばり)測定技術
- 菜豆類の白あんテクスチャー(ねばり)評価手法
- 米飯の粘りに基づく冷凍米飯に対する加工適性評価
- 9 農業現場におけるドライケミストリー法を用いた小麦α-アミラーゼ活性の簡易迅速測定(北海道支部講演会)
- 北海道米の機能特性探索とニーズ解析
- 豆類浸漬液の電気伝導度による煮熟特性の評価法
- 2 施肥量および登熟過程の違いがアズキのポリフェノール含量に及ぼす影響(北海道支部講演会)
- 菜豆類の白あんテクスチャー(ねばり)評価手法と品種間差異
- 難消化性成分からみた北海道米の機能性解析
- 試験成績・研究成果 α-アミラーゼ活性に基づく小麦の品質区分
- 2 米粒の発達度合が未ハゼ粒発生におよぼす影響 : 北海道産もち米の品質特性解析と品質向上技術(2)(北海道支部講演会)
- 異なる温度で貯蔵されたオーストラリア産アズキ2品種の調理特性の差異
- インゲンマメ(金時類)の煮豆加工適性に関わる煮熟硬度の変動
- 明度および彩度を用いたアズキ種皮色の2次元座標表示
- 14 収穫調製方法を異にする小豆の品質および食味特性(北海道支部講演会)
- 16 金時類の煮豆テクスチャーに与える原粒品質の影響(北海道支部講演要旨)
- 北海道産小豆の製アン特性に及ぼす品質関連形質の影響(第3報)小豆の煮熟増加比と収率の関係
- 北海道産菜豆類の百粒重とアン粒径の関係
- 9 小豆種皮色に及ぼす着莢部位の影響(北海道支部講演会要旨)
- 11 小豆の製アン特性に及ぼす窒素施肥量の影響(北海道支部講演会要旨)
- 21 異なる栽培条件下におけるダイコンの糖組成およびビタミンC含量の変動(北海道支部講演会講演要旨(その2))
- バーク堆肥の塩獺濃度およびフェノール濃度が作物の初期成育に及ぼす影響
- 40 作物の初期生育に及ぼすバーク堆肥中有害物質の影響(北海道支部講演会要旨)
- 25 野菜の初期生育に及ぼすペースト肥料の影響と土壌内分布(北海道支部講演会要旨)
- ダイズ草型と着莢パターンの関係
- 小麦α-アミラーゼ活性測定のための簡易迅速前処理方法
- α-アミラーゼ活性に基づく小麦品質仕分け区分の策定
- アズキのタンニン含量の変動要因と食味(渋味)に及ぼす影響
- マメ類の長期貯蔵に伴う加工適性の変動とその評価法
- ダイズ熟性遺伝子E_1に依存しない高度な低温着色抵抗性
- 十勝農試育成ダイズ早生系統の熟性遺伝子座E_1に関する遺伝解析
- ダイズの熟性遺伝子座E_1に関する準同質遺伝子系統To-8E/To-8e
- ダイズの密植栽培における主茎型及び早生系統の収量反応
- ダイズの摘莢処理が成熟後の茎水分低下に及ぼす影響
- 2010年の高温が十勝地方のダイズ収量に与えた影響(平成22年度年次講演会一般講演)
- 2009年に十勝管内で発生した大豆出芽不良の要因について(平成22年度年次講演会一般講演)
- 北海道における大豆品種育成の現状と今後の取り組み
- 小麦のデンプンおよびグルテンの特性がゆでめんのテクスチャーに及ぼす影響
- 非破壊によるダイズ群落構造の測定法について
- 寒地におけるダイズ子実イソフラボンの含量・成分組成に及ぼす登熟気温の影響および品種間差