リュックサック登行の運動強度に関する研究
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概要
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リュックサック登行中の運動強度を知るために,女子6名(熟練者3名,未熟練者3名)について,トレッドミルを用いた走行実験およびキスリングとアタックザックの2種類による登行実験を行い,心拍数,酸素摂取量,主観的運動強度等を測定した。登行実験条件をトレッドミルの傾斜10°,リュックサック負荷重量20Kg,歩行速度40m/分,歩行時間20分とした。以上の各実験をとおして得られた結果は次のようなものであった。1.熟練者と未熟練者のV^^.0_2maxやHRmaxには明らかな差はみられなかった。2.登行中の平均心拍数は,熟練者がキスリング登行した場合に134.1±6.4拍/分,アタックザック登行した場合は137.9±9.2拍/分であった。未熟練者がキスリング登行した場合には157.7±8.9拍/分,アタックザック登行では160.0±6.5拍/分であった。リュックサックの形状の違いによる差は認められなかった。山行経験による差は有意であった。3.登行中の酸素摂取水準(%V^^.0_2max)は,熟練者がキスリングで登行した場合には,51.9±7.0%V^^.0_2max,アタックザックでは55.3±5.1%V^^.0_2maxであった。未熟練者のキスリングでは64.6±11.8%V^^.0_2max,アタックザックでは62.3±5.6%V^^.0_2maxであった。心拍数と同様にリュックサックの形状の違いによる差はみられず,山行経験による差がおよそ10%程度みられた。しかし有意な差ではなかった。4.登行中の%V^^.0_2maxとRPEの関係は,熟練者の場合ではキスリング,アタックザックともに有意な関係が得られた。未熟練者の場合ではキスリングについては有意な関係が得られたが,アタックザックについては逆相関となり,未熟練者は相対的運動強度と主観的運動強度とのずれが大きく,精神的な緊張や負荷重量に対する筋感覚の影響を考慮することが必要と考えられた。
- 東京女子体育大学・東京女子体育短期大学の論文
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