うつ病患者における自殺企図の行動特性および背景因子に関する研究
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概要
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目的:自殺企図の背景要因からうつ病患者における自殺企図の特性を調べた.対象と方法:対象は近畿大学医学部附属病院救命救急センターと同メンタルヘルス科の共同研究のもと,自殺企図に至り,DSM-IVにてうつ病(DSM-IV code 296.2,296.3)と診断した自殺企図者,男性23例,女性33例であり,合計56例,その平均年齢は44.3歳,SD17.2である.厚生労働科学研究費補助金「自殺企図の実態と予防介入に関する研究」作成の自殺ケースカードを用いて面接調査をおこなった.種々の自殺の研究で重要とされている要因を自殺ケースカードより選び出した6指標を用いて,数量化III類を用いたカテゴリカル主成分分析を行い,Ward法によるクラスター分析を行った.また得られたクラスターの妥当性を検討するため,正準判別分析を行った.結果:日常臨床経験から第1主成分は「うつ病患者の自殺頻度と対処行動」を表し,第2主成分は「うつ病患者の自殺の動機」を表していると考えられる.さらに固有ベクトルによって得られるオブジェクトスコアを用いてWard法によるクラスター分析を行うことにより,3群が得られた.また得られたクラスターの妥当性が認められた.考察:クラスターの行動特性に応じた自殺予防の重要性について検討した.
- 近畿大学の論文
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