租税論の複合的検討(続) : 所得税の人的条件をめぐって
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概要
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多面的な記述となったが,問題の一部を明らかにしたに止まった。いわゆる直接税の中の個人所得税について,その人税的性格をとりあげたのであって,この問題から法人税とも関連する企業課税の条件,相続税の条件を検討する必要がある。それがなければ直接税としての体系をとらえたことにはならない。そして,本稿のひとつのねらいである直接税収入比率の軽減は,積極的にどのような間接税体系をとるべきかに言及せずには説得力を欠くことになろう。しかし,少くともその軽減を念頭に置きつつ,租税収入の性格を解明した意図は,景気に応じて租税収入が弾力的に変化することを利用する政策を重視するあまり,この弾力的変化が実体として何を示しているのかを明らかにすることを忘れている傾向に対する警告であり,租税は収入の必要に結びつけて国民に負担を求めるべきものであること,従って,確実な収入予測のつく状態で税制がきわめられるように工夫することが望ましいことを明らかにするにあった。現行所得税では,制度の予定した負担関係が急速に変化し,過大な負担を求められる可能性が強い。それは家族に対する責任の重くなる中堅所得者について特に強い。国庫の必要額をどうのよに国民に配分して負担を求めるかという,租税の本来のあり方に復さなければならないであろう。
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