イオン液体キレート抽出系における金属イオンの抽出挙動(<特集>高度分離へのたゆまぬ挑戦)
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概要
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Bronsted酸であるキレート試薬(いわゆるキレート抽出剤)を用いてイオン液体相へ金属イオンの抽出を行う「イオン液体キレート抽出系」について,従来の有機溶媒を抽出相とするキレート抽出系との相違点を中心に検討を行った.この系は,カチオン交換によるイオン液体抽出系とは異なり,原理的に金属イオンの逆抽出回収が容易に可能である.2-テノイルトリフルオロアセトンを用いた2価金属イオンの抽出では,金属イオンによって抽出種が異なり,中性配位不飽和(水和)錯体又はアニオン性錯体として抽出された.また,中性種とアニオン性種とでは,抽出相イオン液体を変化させたときの抽出定数の変化に差異が見られた.一方,8-ヒドロキシキノリンを用いた場合には,検討した2価金属イオンはすべて中性錯体として抽出された.更に,8-(トリフルオロメタンスルホンアミド)キノリンを抽出剤として用いた検討の結果から,抽出剤中のトリフルオロメチル基の存在がアニオン性抽出種のイオン液体相内における安定化に一定の寄与を果たしていることが示唆された.
- 2008-12-05
著者
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