Personal Spaceの心理学的研究 : 教示の差と対人距離に関する予備的検討(櫻井徳太郎先生・山根常男先生退職記念)

概要

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本研究では,personal spaceの空間的構造に関してstop-distance法による他者接近場面における対人距離と,よりneutralな教示による対人距離の測定が行われ,この対人距離の測定と平行して生理的指標と,パーソナリティ特性およびその他の要因との関係について検討した。その結果,仮説として予想していた教示による距離の要因を特定的に明らかにすることはできなかった。しかしながら,生理的指標,パーソナリティ特性および主観的評価の側面から,personal spaceに関するいくつかの資料を得ることができた。これらの結果は以下の通りである。1.他者接近にともなう身体的変動は,呼吸運動に反映されることが明らかになった。2.パーソナリティ特性による分析では,被接近場面で外向群に身体的変動としてまばたき数の増加が認められた。3.personal spaceの測定において,被験者が着席した状態で対人距離が測定される場合と,起立した状態での接近-被接近距離等の対人距離が測定される場合とでは,視線の高さを統一した条件でも,異なったパターンの反応が見られることが明らかになった。
駒澤大学の論文