看護基礎教育における当事者参加授業の教育成果と課題 : 文献検討を通して(健康・医療教育)
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概要
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筆者らは2002年より2007年までの間、看護基礎教育において精神看護学概論の授業の中で統合失調症当事者参加授業を実施し、その教育成果を報告してきた。当事者参加授業は看護の対象者および家族とその関係者を授業に招き、当事者が自身の体験を語ることを中核とし、看護学生の柔軟で創造的な学習を促進する教育方法である。この度、日本の看護研究論文における当事者参加授業の報告から、取組み状況や当事者参加授業の教育成果を考察し、今後の課題に対する示唆を得ることを目的として研究に取り組んだ。研究方法は文献検討による質的記述的研究である。医学中央雑誌のアドバンスモードで2002〜2007年に公表された看護系論文のうち、キーワードに「当事者」、「当事者参加授業]、「体験談又はナラティヴ」、「看護教育」が含まれる論文を抽出し、当事者参加授業の条件に合致する33件を選択した。当事者参加授業は対象理解を深め、自己成長を促し、エンパワーメントを体験できる優れた教育方法であることが明らかになった。今後は、学生の認知構造のなかに学習内容を有意義に位置づけ、学習を効果的に行うことが課題である。
- 目白大学の論文
著者
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中谷 千尋
目白大学看護学部看護学科
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杉山 由香里
目白大学看護学部看護学科
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森川 三郎
山梨県立看護大学短期大学部
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上田 康子
山梨県立看護大学短期大学部
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渥美 一恵
山梨県立大学看護学部
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杉山 由香里
山梨県立看護大学短期大学部
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渥美 一恵
山梨県立大学看護学部広報委員会
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