精神科医療における退院促進を再考する : 文献研究を通して、退院促進の展開背景を探る(医療問題)
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概要
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近年、わが国において精神科医療における長期在院及び社会的入院者の退院促進の取り組みについて数多く報告されるようになった。一般的に退院促進は「脱施設化」や「コミュニティおよびコミュニティ・ケアの整備」といった目標を伴って展開されるものである。わが国の「退院促進」の現状を改めて再考し、退院促進が内包する方向性の所在や展開される背景、課題を深化するために筆者らは以下の文献研究を行った。対象論文は、1996年1月1日から2006年12月31日までに関連の学術刊行誌に報告された実際の退院促進の実践報告や総説等143論文とした。結果、退院促進が展開される背景には医療機関の経営戦略が存在し、医療機関を中核とするコミュニティづくりの構想が浮き彫りになった。しかし、同時に「脱施設化」と直結したコミュニティでの活動や、2003年度以降の「精神障害者退院促進支援事業」による既存の地域精神保健福祉活動と医療機関の協働による退院促進の展開など、近年の「退院促進」を巡っては、背景に多様なコミュニティのあり方が混在している状況が見えてきた。
著者
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