北海道南部の砂防堰堤の存在する河川における底生昆虫の生息密度と滞留有機物量の縦断分布
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
河川のエネルギー源は上流域から下流域に行くにつれ他生性から自生性有機物に依存し、それに同調して水生昆虫群集も連続的に変化する。ダム等の設置はこの連続性に影響する可能性がある。しかし、これら構造物が存在する河川においては底生動物群集に関する研究は非常に少ない。そこで北海道南部の砂蘭部川に8箇所の調査区間を設けて底生昆虫の生息密度を測定した。さらに、生息密度に関係する生息環境変量として、滞留有機物量および物理環境変量を計測した。その結果、底生昆虫の生息密度は下流に行くにつれ増加していた。粗粒滞留有機物量は流程における変化が見られなかったが、細粒滞留有機物量は2号砂防ダムの上流と下流区間とでは大きく異なっていた。底生昆虫の生息密度といずれの環境変量も有意な相関関係は認められなかった。一方で、細粒滞留有機物量の流程変化には砂蘭部川の河床地形の変化と底質粗度が影響している可能性が示唆された。
著者
関連論文
- 有珠山2000年噴火による林地への泥流堆積が根圏のガス交換に与える影響
- 知床国有林の伐採が林分動態に与えた影響 : 択伐後10年間の林相と更新
- 北海道美々川源頭部におけるオランダガラシ(Nasturtium officinale R. Br.)の生育環境について
- 有珠山2000年噴火による流域荒廃と泥流
- 北海道南部の砂防堰堤の存在する河川における底生昆虫の生息密度と滞留有機物量の縦断分布
- 透過型砂防および治山堰堤内の物理環境
- 火山泥流跡地における表層堆積物の物理的・化学的特性が植生に与える影響
- 樹木年輪幅を用いた地すべり変動解析の試み : 北海道薄別川地すべりを例として
- アテ形成履歴からみた薄別川地すべりの変動履歴と水文・地質構造
- 知床国有林の伐採が林分動態に与えた影響:択伐後15年間の林相推移と更新
- ケショウヤナギ・オオバヤナギ・ドロノキ稚樹の器官量配分と地下部形態
- 北海道の高標高域における地表面礫被覆が樹木の初期成長に与える影響
- 十勝岳火山砂防工事跡地における地表面礫被覆が土壌物理環境と植生回復に与える影響
- 十勝川上流域における河畔林の林分構造および立地環境 : 隣接斜面との比較から
- 樹冠組成と下層植生からみた恵庭岳滑降競技場跡地の植生回復
- ワークショップ報告「地表変動現象を考えるうえでの生物生態情報の利用手法に関する研究」
- 知床国有林の伐採が林分動態に与えた影響 : 伐採5年後の林相と更新
- 底生動物群集の簡易な採集方法および効率的な分画方法
- 造林木におけるアテ材形成と地すべり変動履歴
- 1992年豪雨による沙流川河畔林の破壊と再生状況(会員研究発表論文)
- 薄別川地すべりにおける土塊の運動と化学的特性(会員研究発表論文)
- 札幌市の都市河川における樹木侵入の実態(会員研究発表論文)
- 大夕張ダム湛水域における湖岸植生分布状況と水位変動(会員研究発表論文)
- 利尻島における海浜への土砂流出災害実態(会員研究発表論文)
- 知床国有林択伐跡林分の推移 : 択伐による林相変化と5年間の成長(会員研究発表論文)
- 知床国有林択伐跡林分の推移 : 択伐10年後の林相と稚樹層の変化(会員研究発表論文)
- 知床国有林択伐跡林分の推移 : 択伐5年後の稚樹の消長(会員研究発表論文)
- ケショウヤナギ・オオバヤナギ・ドロノキ稚樹の成長と樹冠構造(会員研究発表論文)
- 恵庭岳滑降コース跡地の植生復元(会員研究発表論文)
- 朱鞠内湖周辺の樹木年輪情報にみる立地環境変化(会員研究発表論文)