オホーツク文化からみる狩猟採集民の作業と生活
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
作業療法学の研究領域の一つとして,人類の作業の発達を知ることは重要であり,人類史の99%以上の期間営まれていた狩猟採集の研究は,作業の発達を理解する上で,不可欠である。本稿では,作業の進化的発達を理解する最初のステップとして,オホーツク文化を例にして,狩猟採集民の「生業」および「道具等の製作」に関する作業を分類して提示し,これらの作業に影響を及ぼす要因について考察した。この結果,魚釣り,大型海獣,鳥,陸や川の狩猟,植物採集,家畜飼育,栽培,食料資源の加工と貯蔵,水や燃料収集,交易がオホーツク文化の「生業」として示された。「道具等の製作」では土器,骨角器,石器の製作のほか,衣服,器,龍,ロープなどの製作,家の建築,舟の製造を行なっていたことが明らかとなった。海沿い冷帯といった自然環境は,この環境に適応するための作業や技術を発展させ,オホーツク文化の一側面を形成したと考えられた。
著者
-
青山 宏
西九州大学リハビリテーション学部リハビリテーション学科作業療法学専攻
-
青山 宏
西九州大学 リハビリテーション学部リハビリテーション学科
-
青山 真美
西九州大学リハビリテーション学部リハビリテーション学科作業療法学専攻
-
ハドソン マーク
西九州大学リハビリテーション学部リハビリテーション学科作業療法学専攻
-
青山 真美
西九州大学リハビリテーション学科
関連論文
- オホーツク文化からみる狩猟採集民の作業と生活
- 作業療法学と人類学
- 心理ストレス負荷時の作業遂行に影響を及ぼす要因について-ストレス関連疾患患者についての検討-
- 痛反応時間測定時に見られる痛みの自己申告値の変化について
- 絵画活動が有効であった摂食障害の一症例について
- 場の保証と待つこと-精神分裂症の一症例を通して-
- 精神科デイケアにおける「付け句遊び」の有用性について
- 開放病棟と閉鎖病棟における慢性期統合失調症患者に対する集団歌唱活動の効果
- 男性入院症例との7年間の関わりを振り返って
- 心理ストレス負荷時の作業遂行に影響をおよぼす個体内要因の検討
- 場の利用と待つこと
- 料理の再獲得や継続に影響を与える因子の検討 : 女性片麻痺事例における生活史の縦断的分析から
- 地域住民が持つ認知症に対するイメージの実態と構造--自由回答アンケートの分析
- 西九州地区におけるリハビリテーション研究への貢献を目指して
- 摂食障害治療における父子関係について--神経性過食症の2症例を対比させて
- 女性の日常生活の中で料理の遂行を動機付ける因子に関する家族形態および年代別の検討
- デイケア同窓会の意義
- 現在の地球気候変動と考古学的研究 : 社会・生態システムのレジリアンスを高めるための考古学的戦略の構築 (「環太平洋の環境文明史」特集号)
- 精神科救急病棟における統合失調症患者への個人作業療法実施が精神症状に及ぼす影響
- 現在の地球気候変動と考古学的研究 : 社会・生態システムのレジリアンスを高めるための考古学的戦略の構築