卵殻表面汚染サルモネラの侵入性と加熱調理法による食中毒予防について
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概要
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昭和63年以来,わが国の食中毒発生件数はサルモネラによる食中毒が最も多く,一事件あたりの患者数でも第一位を占めている現状である。その原因食品には卵を材料とする食品が多く,その汚染経路と原因を追求したところ,サルモネラ汚染卵を使用した料理が多く認められた。そこで,汚染卵の経路追及を行ったところ卵殻表面汚染菌が卵内に侵入することがわかった。その侵入条件として洗浄水と卵の温度差に原因があり,卵温より高い洗浄水で洗浄することが予防の必須条件であることがわかった。また卵の加熱調理による温度と時間の関係では,調理食品の中心温度が70℃で20分以上の加熱がサルモネラの死滅条件となることもわかった。