日本植民地下台湾における少年犯罪と教育
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概要
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本研究では、日本植民地下台湾における少年犯罪防止に関わる公学校の教育状況を関連雑誌を用いて考察し、次の点を明らかにした。第一に1930年代の台湾の教育界では教育雑誌を見るかぎり、少年犯罪が教育問題としてあまり意識されていなかったこと、第二に児童の管理上、家庭訪問が慣例となっていたものの、公学校側と本島人家庭の間で十分な意思疎通をするまでには至らない場合があったこと、第三に、不良少年・犯罪少年の処遇は警察が中心であったが、司法保護事業団体、教護聯盟以外に学校と地域、警察との連携はあまり見られなかった。教育界では、1940年代はもちろんのこと、30年代も不良少年・犯罪少年が国防上必要な更正可能な存在と取り上げられることはあっても、それ以上の議論はほとんど見られなかった。
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