エジンバラ産後うつ病自己評価表によるスクリーニングにおける高得点者のリスク因子の分析
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概要
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周産期における心理的サポートの基礎資料とするため,エジンバラ産後うつ病自己評価表(Edinburgh Postnatal Depression Scale : 以下EPDS)を使用したスクリーニング(820名)において得点の高かった(区分点8/9点)産後1ヶ月の母親68名を対象として,その産科的要因及び背景を分析した。また,「育児経験」の違いと産後の抑うつ感情との関連をみるため,初産婦・経産婦間のEPDS得点と背景を分析し,リスク因子を検討した。その結果,以下の知見が得られた。1. 全体との比較において,「不妊治療」「若年・高年出産」「双胎」「帝王切開術」で高得点者の占める割合が高かった。これらの産科的要因は,妊娠・出産に対する不安が持続する誘因となり,産褥期の抑うつ感情を高めたと考えられた。2. 育児経験の違いと産後の抑うつ感情の関連においては,「初産婦」では,育児上の不安や戸惑いが増大し,抑うつ感情が高まりやすいこと,「経産婦」では,社会的要因の影響を強く受けてEPDSが高得点化する傾向にあることが明らかとなった。3. 心理的要因として,マタニティブルーズの既往など精神的に脆弱な因子を持つものは,産後抑うつ状態となりやすいことが本研究においても確認された。
- 2008-03-31
著者
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