自己評定に要する反応時間と自尊感情との関係
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概要
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自尊感情と自己関連情報処理との関係について,自己評定に要する反応時間を用いて検討する。評価が明確である肯定語と否定語,評価がはっきりしないあいまい語を用いて,「漢字が含まれているか(形態判断)」と「自分に当てはまる(自己関連判断)」について,「yes」「no」判断と判断に要する反応時間を測定した。自己関連判断の反応時間について,自尊感情×関連の有無(「yes」「no」)×剌激語の評価の3要因分散分析をおこなったところ,関連の有無の主効果と刺激語の評価の主効果が有意であった。また,2次の交互作用が有意傾向であり,下位検定を行ったところ,(1)自尊感情の高い者は肯定的な特佳話に対する「no」反応で低い者より遅く,「no」反応の方が「yes」反応より時間がかかること,(2)自尊感情の高い者の「yes」反応は肯定的な特性の方が連いが,「no」反応では特性語の評価によって変わらず,自尊感情の低い者は「no」反応で肯定的な特性の方が速く反応すること,がわかった。肯定語に対する「no」反応が否定語に対する反応と同程度の時間を要していたことから,自尊感情の高い者にとって,肯定的な特性に当てはまっていないとする判断には,否定的な情動を喚起させる要素が含まれると考えられる。
- 甲南女子大学の論文
著者
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